FM Acoustics FM611

FM Acousticsという魔物

FM Acoustics FM611
FM Acoustics FM611

今年、ある方の計らいでFM Acoustics Full Systemを聴く機会がありました。日本国内に2セット。そのシステムが売りに出るという・・・・定価2億4千万円。
プリアンプ1台で2千万、スピーカー1億円。価格が凄いのはブランド、Manuel Huber氏の自由なのですが、それ程でもなければ価格は下がるか、ブランドが亡くなるかのどちらか。

FM Acoustics製品全般では年々販売価格が上がる傾向があり、魔物がいます(笑)なぜ価格が上昇するか?スイスの物価上昇という面もあるでしょうし、設備投資や部品の大幅UPというのが一般的ですが、製品自体に格段にちがう部品や回路設計がされたとは限りません。ではなぜ価格が上がるか?

FM Acoustics full System
FM Acoustics full System

世界のハイエンドオーディオの中でのクオリティ相対(ポジション)×ニーズと考えます。あるブランドのフラグシップ機が仮に500万円だとするとFM Acousticsの製品はそれ以上のサウンドとバリューがあるとManuel Huber氏や代理店が読んだ場合は新たな価値設定を行い、世に問う。そこでセールスが良いと翌年世に問う。これを繰り返してきたから毎年若干高くなり、現代に至る。

と、考えると不思議義ではありません。趣味嗜好の際たるモノがハイエンドオーディオ機器なので適正価格はないマーケット。100万円以下のものにはある程度の指標があるでしょう。300万円を超えた製品あたりから、コスト&パフォーマンス以外に何かないと売れません、ましてや10年の期間価格上昇を続ける事は不可能です。

FM Acousticsの製品には何か、あると考えると悩みません(笑)

FM Acoustics FM611

下の写真はFM Acoustics FM611内部です。ガランとした中にEIコアトランスとオーディオボード、電源コンデンサー、出力トランジスタがリアに搭載されています。筐体は2重シールドが施されている感じの造り。現在ではこのトランスはFM811にしか搭載されていません。後継機のFM711やFM411他はトロイダルトランスです。

FM Acoustics FM611 内部
FM Acoustics FM611 内部

この造りと非常に良く似たパワーアンプが何かわかるでしょうか?

KRELL KSA100(EIコア)です。もしかするとEIコアトランスも同じかもしれません。電流を貯めるコンデンサーは有名なメーカー部品で同じです。制御系基板もごく一般的。クレルのトランジスタはヒートシンクが筐体内部にあり空冷ファンがまわります。ひじょうに良く似たタイプのアンプ。

FM Acousticsはプリアンプもパワーアンプもサウンドのキャラクターは似ています。個体差もあるのでしょうが共通項があり、サウンドの生命力は群抜いて魅力的で引き込まれます。位相特性がひじょうに良いので、音離れも良いでしょう。それは中低音からハイまで変わりません。音楽によっては複雑に重なる和音の分解能が高いのも特徴的。コード進行がわかる方にとってはたまらないアンプとなります。しかし、過去に入荷したFM266やFM255、FM245なども音色にキャラクターがあると感じました。FM611も同様です。ここが好きになるか嫌いになるかの分かれ目。ある程度の音楽体験やオーディオ製品を鳴らして来られた方には「わかる」サウンドである事も事実。

FM Acoustics FM611
FM Acoustics FM611

お金に糸目をつけないハイエンド・システムを組んでくれというオーダーがあったらアンプはFM AcousticsとOLD Mark Levinson、OLD KRELLの3セットを選ぶかもしれません。スピーカーはオーディオマシーナ、Hartsfield、EURODYNで、
天井高さ4mの木造軸組、もしくはコンクリートの箱に天然木の壁。おそらく、ある程度時間をかけて取り組めばいずれも心が震える、音楽の内側へ入り込める機械となるはずです。

FM Acoustics FM611は801のサウンドを彷彿としつつ、現行機FM611X(780万円)とFM811(1千万円)にかなり近似なサウンドスケープを聴かせてくれるものと思います。

FM Acoustics FM611 power amp
FM Acoustics FM611 power amp

FM Acoustics FM611 AXISS正規品 動作保証1年
【ご成約  ありがとうございました】

FM Acoustics FM611のインプレッション⇒

 

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